えこーのぶろぐ

バタフライ法律事務所です

気づいたら40-150 F2.8 PROを買ってしまっていた

1 アホの所業

タイトルのとおり,気づいたら手元に40-150 F2.8 PROが・・・。

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きっかけは,天皇誕生日の前の日に仕事を休めば4連休が錬成できると気づき,後半二日で風呂に浸かるカピバラを見ようという話になったことにある。

 

OM-D EM5 Mk2と12-40 F2.8 PROにカメラを取り換えたことは前回の記事で書いたとおりであるが,「風呂に浸かるカピバラとなると・・・望遠がいるな・・・!」という気持ちになり,気づいたら買ってしまっていたというわけだ。

2 思い付きの陣馬-高尾縦走

本当は伊豆旅行でおろす予定だったが,前日の日曜日はちょうど何の予定もなかったため,陣馬山から高尾山の縦走ルートで山初めをするついでに,富士山でも撮ろうと思い持ち出してみた。

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陣馬山から高尾山までの縦走は初めてやったが,相当歩きごたえがあった。

fitbitでは4万1000歩歩いており,去年縄文杉までトレッキングしたときの歩数(4万2000歩)とほぼ同じだった。

まあ,縄文杉は高度も結構あったし何より台風が通過している中で強行したのでしんどさでいえば圧倒的に縄文杉だったが・・・。

3 デジタルテレコン

ちなみに5枚目の陣馬山の白馬の写真だが,この時富士山を撮るために設定していたデジタルテレコンを解除し忘れており,カメラ上で保存された写真はこんな感じだった。

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めちゃくちゃいかがわしい・・・

 

4 いざ,伊豆へ

そんな具合で前日にアホほど運動をして伊豆旅行を迎えた。

伊豆一発目はシャボテン公園。風呂に浸かるカピバラをやり始めた元祖らしい。

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基本的には屋外なのだが,レッサーパンダは屋内だった。

帰ってきてレッサーパンダの写真を見たときに,F2.8通しにしといてよかった・・・という気持ちになった。

あとまあやっぱμ4/3だとAFは結構しんどいねという気持ちにもなった。

5 河津桜と大室山

初日はシャボテン公園と城ヶ崎海岸を見て伊東に泊まり,翌日は河津桜を見に行った。

4年くらい前に見に行ったことがあったのだが,3月に入るとほぼ葉桜であまり見ごたえがないなあと思った記憶があった。

今回は満開の少しあとくらいのタイミングだったため,桜もしっかり咲いていてとてもきれいな光景だった。

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シーズンの河津はかなり混むと聞いていたこともあり,朝早起きして9時前から観光を始めた。その甲斐あって,11時過ぎには河津を満喫し終えてしまった。

そこで,伊東まで引き返して,前日強風によりリフトが止まっていた大室山に登ることにした。

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ここでも富士山を撮影

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ぼくはオタクじゃないのであまり詳しくなかったが,同行したオタクによるとこの伊豆旅行で回った場所はほぼすべてゆるキャン△に出てきたらしい。

そういわれると気になるので漫画を買って読んだが確かにほぼ全部ゆるキャン△聖地巡礼だった。

アニメ2期のクライマックスがこの伊豆キャン編になるようなので,ここ行ったわ!ってなりながらアニメも見ようと思う。

6 終わりに

40-150 F2.8 PROは,買った後しばらく「こんな高いもんかって良かったのか・・・」という気持ちになっていたのだが,実際に持ち出して使ってみるとかなり満足度の高いレンズだった。

 

ちなみに,レンズを試すためになんとなく行った陣馬山から高尾山への縦走はかなり楽しかったため,登山熱の再燃を感じている。

今年はテント買って,テント泊登山の手始めに燕岳行きてえなぁとなっており,引き続き物欲が絶えないのであった。

カメラの構成をめちゃくちゃ見直した

タイトルのとおり,一眼レフ1台・ミラーレス1台・コンデジ1台と,だぶついていたカメラの構成を整理し,ミラーレス1台・コンデジ1台にした。

 

1 これまでの構成

OLYMPUS PEN E-PL6
② D7200
③ RX100m3

これまではこの3本立てでやっていた。

購入の順序としては,最初にカメラに興味を持ちPENを買い,せっかくカメラなのだから光学ファインダーがあるやつが欲しい!となってD7200を買い,登山とか行くのにこんな重たいもん持っていけるか!となってRX100m3を買った。

2 見直しのきっかけ

きっかけは4つある。

① 断捨離

もっとも中心的な理由は断捨離である。

直接言われたわけではないが,カメラが3つもあるのは家族からはあまり好まれない状態だった(と思う)。

前々から,一眼レフとミラーレスはひとまとめにして,モノを減らしたほうがいいだろうと考えていた(がなかなか実行に移せずにいた)。

② RX100m3の水没

ふたつ目は,昨年,屋久島に縄文杉を見に行った際,台風が島の横をかすめ,大雨が降る中での登山となり,結果的にRX100m3が水没したためである。

この時は,水没することを恐れて,カメラはカバーに入れておいたのだが,それでも水没してしまった(幸い,RX100m3は登山に持ち出すつもりで買ったこともあり,購入直後に物損保険を契約していた。この保険を使って修理しようとしたのだが,修理不可品として,2万円くらいの保険金が下りることになり,買い替えのために差額を支出しなければならなかった。)。

そこで,登山用のカメラは,多少の無理がきく防塵防滴のものにしようと考えていた。

③ Zマウント

みっつ目は,ニコンがミラーレスにシフトした際,Zマウントという新しいマウントを採用したからだ。

正直そこまでレンズ沼にドハマリしていたわけではなく,交換レンズもキットレンズの便利ズーム(18-100)と広角ズーム(10-20)の2本立てだった。

とはいえ,これから余裕ができたり撮影対象が変わったりしたら買い足そうと思っていたのにZマウントとかいう新マウントが登場して,DXマウントやFマウントが下火になってしまったのでは面白くない。

Zマウントが発表されたころから,ニコンとはお別れするか・・・とめちゃくちゃ思っていた。

④ 宙玉レンズ

よっつ目は,宙玉レンズである。

これはずいぶん前の誕生日に友人がくれたものなのだが,ニコンでこれを活用するためにはかなり高いレンズが必要であった。

具体的には24mm単焦点(8万くらいした気がする)あたりが必要であった。

その点,買い替え先のOLYMPUS 12-40 F2.8 PROはOM-Dのキットレンズでありながら宙玉レンズが使えるということだった。

3 実行

上にも少し書いたが,一眼レフとミラーレス,両方はいらないと思っていた。

現にD7200を買ってからPENはほとんど持ち出していない。

25mm(換算50mm)の単焦点レンズを持っていたので,これを活用してボケのある写真を撮りたい!と思った時くらいしか持ち出していなかった。

そこで,PENとD7200は処分して,防塵防滴で,12-40 F2.8 PROがキットレンズでついてきていて,モデルチェンジによってかなり値段が下がっていて(在庫自体もほぼ残っていなかった。),μ4/3の25mm単焦点が使えるOM-D EM5 mk2のPROレンズキットを購入することにした。

 

PCを作り替えた際,メルカリでCPUを売ったら思ったより高値になったため,カメラもワンチャンいけるのでは??という下心が働き,D7200,DXマウントの広角ズーム,PENを出品してみた。

4 メルカリの洗礼

DXマウントの広角ズームは出品したとたん売れてしまい,これは他も爆速で売れちゃうぞ~と思っていたがそんなことはなかった。

 

PENは電池フタの爪が割れていたし,D7200は購入価格の半額とはいえ7万円という高値であったこともあり全然売れる気配がなかった。

 

PENのほうは15,000円まで値下げしたら買い取ってくれる方がいたのだが,

D7200は来月になったら4万円が入るので4万円で譲ってほしいといったコメントがつき,「これがメルカリか・・・」という気分にさせてくれた。

とはいえずっと持っていても仕方ないので徐々に値下げをして,6万円を切ったころに,「5万3000円で売ってくれ」というコメントがつき,「5万5000円が限界」と伝えたら「間をとって5万4000円」というようなコメントがついた。

「限界」なのに間をとるわけがないだろうと思いつつ,もうこっちの腹のうちを見せてしまったので5万5000円まで値下げをしたところ,「間とりマン」じゃない別の人が購入してくれた。

 

こうして,メルカリの洗礼を受けつつ,何とか8万円くらいにはなった。

 

5 OM-D EM5 mk2 PROレンズキットの購入

筆者はとても頭が悪いので,「メルカリで売れなくても最悪キタムラ持っていくし,先買い替え先を買っても同じじゃね?在庫も全然なさそうだし,なくなっちゃう前に買っちゃいたくね?」って思いながら,メルカリでカメラが売れるよりも先に,OM-Dをポチってしまっていた。

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6 Peak Design製品の購入

筆者はとても頭が悪いので,「これを機にPeak DesignのCaptureとかほしくない?」となってこれを購入,「三脚マンフロットだし,マンフロット三脚対応のプレートがよくない?」となって,これも購入,「Caputure使ってるときに手を滑らせたら怖いし,ストラップも欲しくない?とはいえ首から下げたくなるかもしれないから切り替えられる奴がよくない?」となって,同じくPeak Designのcuffも購入した。

まだ持ち出す機会がなくて家で試してみただけだが,この組み合わせはいい気がする。暖かくなったらこれつけて登山とかに行こうと思う。

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cuffを含めPeak Designのストラップはアンカー(赤い縁取りの丸い部品)にストラップをひっかけて使う。これにより,ハンドストラップとネックストラップを交換できるのだ。

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登山の時にカメラをどこにしまうかというのはずっと悩まされてきた問題だったため,これでリュックのショルダーストラップにくっつけられるのは大変ありがたい。


7 さいごに

いろいろ書いたが,結局僕みたいな旅行と登山に行く時くらいしかカメラを使わない人間には,重たい一眼よりミラーレスのほうがいいということだ。

このことに気づくのに6年以上かかったというのは,我ながら恐ろしい脳みそのつくりである。

 

ちなみに,その恐ろしい脳みそは今,「もうレンズマウントはμ4/3にするって決めたし,浮気しないなら40-150 F2.8 PRO買ってもよくない?」と考えている。

 

Era ITXとRyzen5 4650Gで自作PCを新しくした

タイトルのとおり,新しいパソコンを作った。

 

 

1 構成

構成としては以下のとおり

  • CPU Ryzen5 4650G
  • M/B ASRock B550 Phantom Gaming-ITX/ax
  • メモリー Samsung DDR4-3200 M378A1G44AB0-CWE
  • CPUクーラー Noctua NH-D9L
  • 電源 Corsair SF Series™ SF450 CP-9020104-JP
  • ケースファン Noctua NF-S12A PWM *2 NF-A8 PMW *1
  • ケース Fractal Design Era ITX Gold TG

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今回は「(妻の"見た目審査"を無事通過することができた)Era ITXを使う」という大前提があったため,これに入るものという制限の中でパーツを選んだ。

 

2 パーツ選定にあたって考えたこと

ケース

今回の大前提。個人的にはスペースグレイがかっこいいと思っていたのだが,一部友人からは「ダサい。オタクっぽい。」という心温まるコメントをもらった。

天板が木製になるシルバーと悩んだのだが,ゴールドが一番安く,妻も気に入ってくれたため,ゴールドを選択。

CPU

次組む時はCPUはAMDにしたい!と思っていたため,AMDから探していた。

また,今回新しく作るまでは,intel Core i7 6700(4コア8スレッド 3.4GHz)を使っていたのだが,このCPUに満足しているのであれば,Ryzen5でも十分以上と聞き,Ryzen5で探すことにした。

そして,Era ITXの空間を考えると,ビデオカードは使わずオンボードで対応したほうが良いと感じたため,最終的には3400Gか4650Gの2択に絞られた。

突然NVEncとか使いたくなったら・・・,突然PCでヌルヌルゲームがやりたくなったら・・・,突然ビデオカードの品薄が解消されたら・・・といったスケベ心があり,用途に対して過剰な気もしたが,4650Gを選択した。

M/B

M/Bは,Era ITXの前面のUSB Type-CポートがUSB3.1Gen2に対応していたため,USB3.1 Gen2スロットのあるM/Bということで採用(ちなみにUSB3.1Gen2対応製品はひとつも持っていない。)。

メモリ

メモリも,正直今まで使っていたもの(DDR4-2133)を流用するつもりだった。

ところが,DDR4-3200は想像以上に安くなっており,しかもCPU,M/Bと同時購入でさらに3300円の値引きがつくといわれてしまったため,買い替えを決意。

クーラー・ファン

パーツを買うときに一緒に見て回ってくれた友人がいたのだが,この友人が悪いやつで,ファンを物色中,Noctuaはいいらしい,Noctuaを買おうという甘い言葉を囁いてきた。

そんな友人の甘い言葉のせいで,クーラーとファンだけで1万5000円近い出費を強いられることになった(単に僕の心が弱いだけかもしれない)。

(とは言いつつも,)Era ITXは窒息ケースとまで呼ばれていて,しかもRyzenにはCPU温度が許す限り自動でOCするという機能が備わっていたため,クーラーやファンはなるべく静かで,冷やせるものを設置したいとは思っていた。

作ってから1週間使ってみて,その間,動画のエンコードなどもさせてみたが,60℃を超えることはほとんどなく,ファンの音に至っては一度も気にならなかったため,結果的には良い選択をしたのではないかと思っている。かなり高くついたが。

 

('20/1/24 追記:悪い友人から「Noctuaを買おう」とまでは言っていないという指摘が入った。まあなんか多分僕の事理弁識能力のほうに問題があったのだろう。ちなみに,悪い友人は,メモリについては購買意欲をあおったことを自白していた。)

電源

この構成なら450Wでも耐えてくれそうだったし,そもそも僕が買いに行った時のパソコン工房SFX電源砂漠と化しており,SFX電源の選択肢がこれか750Wしかなかった。

ストレージ

SSD・HDDは前のパソコンから流用した。

余談だが,パソコン工房でパーツを買うよりも先に,Joshinの1TB M.2 NVMe SSDを買っていた。一向に発送どころか入荷もされないまま,ほかのパーツはすべてそろってしまったため,先に組んだという次第だ。

1月3日に買って今日時点でまだ入荷の連絡も来ていないのは何とかしてほしい。

Joshinが送ってき次第,SSDはM.2に換装する予定。

 

3 製作過程 

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ケース上部に120mmファンを二つ設置して上昇する熱気を外に排出する。

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Noctuaのファンは,他のファンのようにネジで固定することもできるが,シリコン製(?)のストッパーで固定することもできる。



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AMDだったが,こっちのほうがintelより設置しやすい気がした。

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最初CPUクーラーを設置したときは,「大げさじゃないか?これは・・・」ってめっちゃ思った。

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メモリの設置が一番嫌い。御多分に漏れず,かなり力を入れないと噛まない。

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Era ITX付属のSFX用電源ラックは電源のほかに3.5インチドライブをくっつけることができる。

ATX電源用のフレームもあるのだが,ATXを設置するとこのような配置は難しくなる。

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青いケーブルにつながっているのが前のPCで使っていたSSD

SSDがついているフレームには,2.5インチドライブが2つ搭載でき,このフレームで蓋をするようにして設置が完了する。

ちなみに,写真はSSDの設置方向をミスっており,ケーブルの長さが足りなかったため,撮影後,一度外して向きを変えている。



4 トラブル

最小構成では問題なくBIOSに入ることができたため,SSDをつないで起動してみた。

そうしたところ,SSDは認識しているにもかかわらず,ブートができず,行き詰った。

 

いろいろ試してみたのだが,結局原因がわからず,OSをクリーンインストールした。

クリーンインストール前に,SSDパーティションを消し去っているときに気づいたのだが,前のPCを作ったときにCドライブのパーティション形式をMBRにしていたのが原因のようだった。

4650GはCSMを有効にすることもできなかったため,MBRパーティションを切っているディスクは起動できないようだ。

GPTでパーティションを切りなおしてOSをインストールしたところ何ら問題なく動くようになった。

 

古めのPCから4650Gに乗り換えるときに詰まりやすいポイントな気がするので,同じ状況に陥った誰かの参考になればと思い記載しておく。 

検察庁法改正と三権分立

 #検察庁法改正案に抗議します

Twitter上でこのようなハッシュタグがトレンド入りしている。

このタグを付したTweetを眺めていると,三権分立と検察官の独立とがごちゃ混ぜになってしまっているように感じた。

 

検察庁法の改正案だけ見ると,少子化等の情勢の変化に伴って検察官の定年についても延長するというものであるため,あまり問題ないようにも思える。

 

しかし,今回の検察庁法改正案は,その経緯において三権分立を脅かすものであった。

このような流れを理解しないまま検察庁法の改正案に対して抗議をしても,批判の内容がピンボケしてしまう。

 

検事総長人事をめぐる閣議決定をめぐる問題

検察庁法改正案は,黒川弘務東京高検検事長という人物を抜きにして語ることはできない。

黒川氏は,今年の2月7日に定年を迎えるはずだった。

しかし,定年の1週間前である1月31日,黒川氏の定年を半年延長する旨の閣議決定がされた。

www.nikkei.com

 

この定年延長は,黒川氏を次期検事総長にするための布石であるといわれている。

*1

 

黒川氏の定年延長は検察庁法22条に反する違法なものである。

検察庁法22条 検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する。 

 

黒川氏の定年延長にはこのような違法性があったため,1月31日の閣議決定は,国家公務員法81条の3第1項の規定は検察官にも適用できるという法律の解釈を行った。

国家公務員法81条の3第1項 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。 

 

これだけ見れば,検察官も国家公務員であるから,このような解釈をとっても差し支えないと思われるだろう。

しかし,国家公務員法81条の3第1項の規定には「前条第一項の規定により」と書かれている。

そこで国家公務員法81条の2第1項を見ると,「法律に別段の定めがある場合を除き」と書かれている。

国家公務員法81条の2第1項 職員は、法律に別段の定めのある場合を除き、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日又は第五十五条第一項に規定する任命権者若しくは法律で別に定められた任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日(以下「定年退職日」という。)に退職する。 

 

検察庁法22条は明らかに「法律に別段の定めがある場合」であって,検察官は,国家公務員法81条の2第1項の規定の対象とはならない。

その結果,国家公務員法81条の3第1項の規定も検察官には適用されない。

これが閣議決定がされるまでの法律解釈であり,国家公務員法81条の2及び81条の3の書きぶりからすれば唯一の解釈である。

 

このような法律の文章から見て明らかであったものが,内閣の解釈の変更により曲げられてしまったのである。

 

そして,このような無理な解釈を通し続けるのは不健全であることから,今回の検察庁法の改正案につながる。

 

つまり,この国家公務員法の解釈変更が最大の問題であり,「検察庁法改正案は,その経緯において三権分立を脅か」したのである。

 

我々が批判すべきは,検察庁法改正案そのものではなく,1月31日にされた閣議決定による解釈の変更からの経緯なのではなかろうか。

*1:最近の傾向からすると検事総長は2年を目途に交代をしているところ,稲田伸夫検事総長が今年の7月で就任2年を迎え,交代が見込まれる。検事総長は検察官から選ばれるため,黒川氏が今年の7月時点で検察官であれば,検事総長になることが可能となる(検察庁法19条)。

知見の蓄積

 弁護士になって1年が経ちました。

 1年やると経験といえるほど大層なものではないにしても、「こうしたほうがよかったなあ」「つぎからはああしたほうがいいなあ」という気付きや、「あっ、この争点、この前別の事件でも・・・」みたいなのやらがそれなりに溜まってきます。

 

 こういう知見はどこか一か所にまとめておいたほうがいいなあと思っていたところ、昔使っていたevernoteってやつがだいぶ便利になっているという話を聞きつけました。

 

 じゃあevernoteで一元化するか~ということで、勢いのままevernoteに課金し、さっそく今まで貯めていたwordやらを掘り返してせっせこevernoteに放り込んでいます。

 

 今放り込んでいる分は過去の蓄積でしたが、今後どうやればめんどくさがりな自分でもそれなりに続けられるのかを考えて、考えたことをブログに残しておこうというのが今回の記事の趣旨です。

 

クソ長え前置きでしたが、本題に入ります。

 

私が蓄積したら後で役に立つと考えているもの(というかこの1年で蓄積できた知見)は次の2つに分類することができます。

ヒヤリハット事例と案件の進め方、手続き上の留意点

②各争点について調査した際に当たった文献と当該争点についての解説

 

この2つをtodayeeというアプリ(高くはないですが有料です。まあ無料の無限倍の値段するので高いとも言えます)をつかって蓄積していけないかと今は考えています。

ちなみに、todayeeは投稿を日付ごとにひとつのノートにまとめてくれる便利アプリです(今まではツイッターみたいに起きた出来事をその場で投稿し、最終的にひとまとまりの日記するという使い方をしていました)。

 

知見の収集方法は下のとおりです。

 

今後気を付けたほうがいいなあと思う出来事がある都度、その場でtodayeeを起動し、思ったことを書いて投稿します。

暇なときに日記を見返して、日記から知見になりそうな部分を回収し、事件類型ごとに作成されたノートブック上の「留意点」ノートにコピペします。

 

これを繰り返せば、日々のヒヤリハットを投稿するだけで、事件類型毎の気を付けるべきポイントが記載されたマニュアルが完成するという寸法です

 

  • 文献などで調べた争点についてのメモ

リサーチの際、文献を読み終えるたびに読んだ文献とページ番号をtodayeeに書きます(その際、かっこ書きで何について調べたのかも記載しておきます)。

各分野ごとに作ってあるノートブックの下に争点ごとのノートを作ります。

そこに文献をコピペしていきます。

 

お客さんに示すレジュメを作成する必要がある際は、ノートにレジュメのコピーを記入します。

 

そうすると将来的には当該争点についてのまとめノートが作られていくだけでなく、当該争点について自分が当たったことのある文献が一覧になっている索引が完成することになるのではないかと目論んでいます。

 

 

とりあえずこの方法は今日から試してみるので、また何か気付きがあったら追記します。

 

略式起訴

mainichi.jp

 

こんなものを見つけました。

coinhiveの件は僕の周りでは割と議論になってる気がします。

耳に入ってきた限りでは、「限りなく黒に近いグレー」という声もあれば、「これがだめならjava scriptで動いてる広告は全部ダメになってしまうのでは」というような声までありました。

 

Coinhive設置で略式起訴の男性、正式裁判へ | 仮想通貨 – AppTimes

神奈川で6月に起きた件に関しては現在正式裁判が行われているようで、法的にどうみられるのかはそこではっきりするのではないかなと思います。

 

coinhiveの件について、僕の考えがないわけではないのですが、今日は視点を変えて、「そもそも略式起訴ってなんぞや」ということを書こうかなと思います。

 

書いてみて結構長くなってしまったので,皆さんのスクロールの手間を省くため,先に結論を書いておきます。

  1. 略式で決まった刑でも前科は前科
  2. 略式手続は裁判にかけられる人の同意がないと行うことができない
  3. 同意をすると書類だけの簡単な手続きで罰金刑が科される
  4. あとからやっぱり正式な裁判をやってほしいといえるのは14日間だけ

 

 

 

1 そもそも略式手続とは

 略式手続は、刑事訴訟法461条以下に規定されています。

 内容をものすごく噛み砕いて説明すると、「争いがない事件について、書面だけで処罰を判断しよう」というものです。

 略式手続については、書面審理だけで行われるため、公開の裁判が開かれません。これが憲法違反ではないかというような議論がなくはないのですが,脱線してしまうので,気になる方は調べてみてください。

 書面審理だけで刑罰を科すという制度であるため,略式手続によることができる場合というのは限られています。具体的には,100万円以下の罰金・科料を科す場合に限られています(刑訴法461条)。

 

2 略式手続の流れ

⑴ 前提知識

ア 起訴権者

 まず,前提として,刑事裁判を起こすのはだれなのかという話をします。

 ある人(刑事裁判にかけられる人のことを「被告人」といいます。)を刑事裁判にかけるよう求めることを,「起訴」といいます。これくらいならニュース等で聞いたことがあるかもしれません。

 起訴は,原則,検察官が行います。これは,公開の法廷で行う場合も,略式手続の場合も同じです。

イ 捜査と終局処分

 検察官の仕事についても簡単に紹介します。ただ,僕は検察官ではないので,ばっちり正確に説明できていないかもしれません。

 検察官は,①起訴のために必要な捜査の指揮をとったり,起訴のために必要な書類を作ったりします。また,起訴後,②刑事裁判の際は,被告人が行ったとされる犯罪についての立証や,どのような刑罰を科すべきかということについての意見を述べたりもします。さらに,③裁判で決まった刑罰の執行についても検察官が行います。

 今回関係するのは,①なので,①について簡単に説明します。

さっき書いた通り,最終的に起訴をするのは検察官なので,検察官は自分が起訴できると思えるようにするために足りないものは何かということを考えながら,警察に捜査を行うようお願いしたり,自分で捜査(多くの場合は関係者の事情聴取です。)を行ったりします。

そして,最終的に,証拠がそろったと考えると,書類を作って起訴をします。

これが,検察官の仕事のうちの①の部分です。

⑵ 略式手続によることの決定

 それでは略式手続の話に入っていきましょう。

 検察官は捜査を遂げ,ある被疑者(起訴される前は「被告人」ではなく「被疑者」という呼び方をします。)を起訴することにしました。

 しかし,起訴して刑事裁判にかけるとなると,被告人をわざわざ平日の真昼間に裁判所まで来させて,1時間くらいかけて裁判をすることになります。しかも,裁判所なので公開です。誰でも入ってこれますし,人定質問といって名前,住所,生年月日や職業の確認もされます。もちろん顔も見えます。

 自分が衆目にさらされてしまうのですから,人によっては,ひょっとすると罰金刑を払うよりもつらいことかもしれません。

 そこで検察官は,特に犯罪をしたことについては争っていなくて,しかも100万円以下の罰金・科料を科すことになると思った場合には,略式手続によることを考えます。

⑶ 略請け

 検察官は略式手続を使おうと決めました。そうすると次に必要なのが略請けです。

 略式手続は,さっき説明したような公開裁判による弊害を防ぐことができます。しかし他方で,略式手続は,刑罰を科される人の「公開の法廷で刑事裁判を受ける権利」を奪うものでもあります。これは憲法上の権利であり,とても重要なものです。そのため,検察官は,略式手続で刑罰を科すことについて異議がないことを確認した上で,そのことを書面にする必要があると定められています(刑訴法461条の2)。

 実務上は,この書面のことを,「略請け(りゃくうけ)」と呼んでいます。

⑷ 略式命令の請求

 今までずっと略式手続と言っていましたが,正確には略式命令の請求です。

 被疑者に略式命令の概要を説明して,略請けに署名や押印をもらった検察官は,起訴と同時に,簡易裁判所に対して略式命令を出すよう求めます。

 これが略式命令の請求です。

⑸ 略式命令の交付

 略式命令の請求を受けた裁判所は,検察官から送られてきた書類を見て,犯罪についての立証が足りているのか確認します。その上で,問題ないと判断した場合には,略式命令を出します。

 略式命令には,主文(被告人にいくらの罰金を科すのか),罪となるべき事実,適用した法令などが書かれます。

 略式命令は,起訴があった日から数週間から1か月ほどで被告人の自宅に郵送されます。

⑹ 罰金の納付

 略式命令を受け取った被告人は,それをもって検察庁へ行き,決められた罰金を納付します。

 これで略式手続はすべて終わったことになります。

 

 最後に

以上が略式手続の概要です。

 

 しかし,最後に重要な話が残っています。

 一つ目は最初にも書きましたが,インスタントな手続きであるために意識しづらいのですが,略式命令であっても,前科は前科なのです。前科があって困ることというのは実はそれほど多くはないのですが,有罪の宣告があってから一定期間就くことができない職業などもあります。そういう人にとっては前科がつくというのは一大事です。

 

 もう一つも最初に書きましたが,略式命令を受け取ってから(厳密にいうと「告知があってから」)14日以内であれば正式裁判を求めることができるということです。

 

 検察官というのは頭のいい人たちです。検察官と話をしたときは略式手続に納得できていたとしても,あとで考えるとやっぱり納得できないということもあります。また,あとで弁護士などに相談したら,あなたのやったことは犯罪に当たらない可能性がありますよ,となってしまうこともあります。その場合でも,14日以内でないと正式裁判に移行できないのです。

 14日を過ぎると今度は再審請求を行うほかありません。再審というのは,一度やった裁判をやり直すわけですから,よっぽどのことがない限り認められないとてもハードルの高いものです。

 

 いざ,自分が起訴されるとなると,正常な判断ができないものです。普段から知識を身に付けて置き,刑事事件の被疑者になってしまったらとにかくいち早く弁護士を呼んだほうがいいです。弁護士がついたことで状況が悪化するということはほとんどありません。むしろ時間がたってから弁護士がついても,その時には取り返しがつかないということの方が多いのです。

 

 こんなクソ真面目で長いだけの文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。読んでもらえたなら書いた甲斐があるというものです。お友達にも紹介して,いざ自分が起訴されても大丈夫なように普段から備えておきましょう。

はじめに

3本目の記事にして“はじめに”というのもよくわからないが、一年以上塩漬けにしてた気もするので、心機一転、「まじめ」に、「それなりに定期的」に、「放置せず」書いていこうという決意表明をしようと思い、筆をとった。


そもそも、ブログを開設したのも「弁護士ってブログとか開設しちゃってなんか知的なこととか書いちゃったりするんじゃね??」というクソほど浅はかな動機だった。


ただ、もともと知的ではない僕が知的なことを書けるはずもなく、とりあえず趣味のことでも……となんとかひり出したのが2本の記事だ。そして、なんとなく更新がめんどくさくなり、そのうち存在すら忘れていた。


なので、ひとまず身の丈に合わせたブログ運営をしようと思う。

具体的には、今やってる勉強のこと、最近登った山のこと、最近の横浜DeNAベイスターズがクソほど雑魚くてクソなこと、なんか知的なことが書けそうならなんか知的なこと、とかを気が向いたときに書く。


自己紹介の記事も書こうかと思ったが、めんどっちいので読者さんの方でブログの情報を拾って集めて僕の自己紹介に代えさせてほしい。

これも身の丈にあったブログ運営ということでどうかひとつ。